
縦走ルート(GoogleEarth)
山小屋の朝は慌しい。午前4時には起き出す人がいて、皆が登山靴やトレッキングシューズを履いて木の床を歩くものだから、小屋の入口付近で寝ていると頗るうるさい。あまりの煩さに我慢できずに、起きることにする。コンロでコーヒーや朝食を作っている人もいるが、コンロを持ってきていない僕はレトルトのリゾットをそのままスプーンで掻き出して食べ、一息つくまもなく小屋を後にし、宮之浦岳に向かった。
とはいえ、朝の五時前である。ダイビング用の懐中電灯を片手に真っ暗な登山道を登る。時折、動物が自分と平行に歩いている気配を感じたりするのだが、不思議と怖さとか不安感というものは感じない。一人きりで歩いているのに、森に包まれているような安心感がある。日が少し差して、手元が見えるようになる頃には、雑念も消えて自然の中に一人いる充実感に満たされていた。
気がつけば、雲海が下に見え、坊主岩の陰が傍らにあった。もっと明るいときにくれば、坊主岩は壮観だろうと思うが、先を急ぐ。

雲海の景色
GPSを見ていると高度の目安が出るが、山道は折角上ってもすぐに下ってしまったり、なかなか九州最高峰の宮之浦岳の高度には届かない。木々が途切れ、急になってきた登りを登りきると、宮之浦の頂上であった。屋久島というと針葉樹のイメージであったが、宮之浦岳から見る景色は、眼下にまばらに紅葉した広葉樹が広がり、まわりは巨石と枯れ木が広がっていた。
気がつけば、雲海が下に見え、坊主岩の陰が傍らにあった。もっと明るいときにくれば、坊主岩は壮観だろうと思うが、先を急ぐ。
GPSを見ていると高度の目安が出るが、山道は折角上ってもすぐに下ってしまったり、なかなか九州最高峰の宮之浦岳の高度には届かない。木々が途切れ、急になってきた登りを登りきると、宮之浦の頂上であった。屋久島というと針葉樹のイメージであったが、宮之浦岳から見る景色は、眼下にまばらに紅葉した広葉樹が広がり、まわりは巨石と枯れ木が広がっていた。
山に登るのは、久しぶりだけど人のいない朝の山の空気と景色を独り占めできるのは何と贅沢なことだろう。

投石平のオブジェ
宮之浦岳を発つと、後は下るのみ。投石平は、巨石がごろごろ転がっており、中にはオブジェのような形をした石もある。更に下ると日本最南端の高層湿原、花之江河に着いた。湿原の脇で少し休んで、屋久杉ランドへの道を進もうと歩き始めると、2人のガイドに呼び止められた。「それは屋久杉ランドへの道だが、間違いないか」と。無論そのつもりで、屋久杉ランドの最終バスが16:00時過ぎ、現在が10時だから、マップに載っている5-6時間を見ておけば、問題ない。ここまでもマップの時間よりも1,2割速いペースで来ているからむしろ余裕である。若い方のガイドは何か納得いかないような顔をしていたが、古参のガイドが、まあ大丈夫だろうと言ってくれたので、そのまま進むことにした。そのときはさりとて気にしなかったが、このガイドのアドバイスが非常に重要なものだったことを後で思い知るのである。

花之江河
屋久杉ランドへの道は荒れているとは聞いていたが、確かにそれまでの道と比べ、階段などはできていないし、梯子やロープを使って上り下りする場面も増えた。とはいえ、そうした道の方が、木で作られた階段などよりは歩きやすく感じた。
石原小屋には、ガイドに載っている時間よりも大分早くついた。しかし、そこから先がなかなか進まない。道も次第に目印がないとわからないような分岐が増えてきて、最終バスの16:10を睨んで、気持ちも急く。結局、ろくな昼食休憩も取らず、疲れたらたまに5分程度の休憩を取りながら、駆け下りるように山を下る。花之江河以降は誰ともすれ違うこともなく、追い抜くことも無く、ひたすら孤独な山道であった。
足は痛くなるし、小雨も降ってくる状況だったが、それでもバスに遅れるわけにはいかないと、必死で駆け下っていくと、ようやく屋久杉ランドにたどり着いた。屋久杉ランドの舗装された道が痛む足に優しい。屋久杉ランドも急ぎ足で抜けると、バス停に着いた。バスの出発20分前であった。

縦走ルート(カシミール)